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『物流は世界史をどう変えたのか』:雨読夜話

ここでは、「『物流は世界史をどう変えたのか』」 に関する記事を紹介しています。


物流の観点から、17章にわたって世界史の出来事を語っている作品。

まず、歴史上地中海やイタリアが過大評価され、北海やバルト海、カスピ海、黒海、白海といった北の海と、それらの海から続く大河を利用した交易がもっと注目されていいという話が印象に残る。
地中海沿岸では木を伐採するとなかなか生えてこなくなることが海運業の衰退につながったという話や、バルト海沿岸地域が穀物や木材、麻、リネンといった海運業に必要な物資を輸出してきた話などが書かれている。

また、ポルトガル、オランダ、イギリス、アメリカ、アルメニア人、セファルディム(イベリア半島に住んでいたユダヤ人)などによる交易のネットワークや商売方法の違いなどが語られているのみ興味深い。
東インド会社はオランダやイギリスのものが有名だが、小さいながらスウェーデンも東インド会社を経営していて、中国から安いお茶を輸入してイギリスに密輸していたことが貧困層にも喫茶の習慣が根付いた一因という話が特に面白い。

他にも中国が秦や漢の時代に他の地域に先駆けて実施した政策が繁栄につながったことや、フェニキア人が開拓した地中海のネットワークをローマ人が引き継いだような事例が世界史ではいくつも見られること、共産主義国が失敗した一因として消費財の流通を軽視したことも大きいことなど、多くのトピックが語られている。

著者の他の作品と重なるところも多いが、本書もまた興味深く読ませてもらった。






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