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『「民族」を知れば、世界史の流れが見通せる』:雨読夜話

ここでは、「『「民族」を知れば、世界史の流れが見通せる』」 に関する記事を紹介しています。



古代、中近世、近現代で20章の構成で、さまざまな民族の活動や移動、衝突や迫害といった出来事を紹介・解説している作品。
フェニキア人、ユダヤ人、アルメニア人、ゲルマン人、ノルマン人、トルコ系、漢民族など、世界史の教科書に登場する多くの民族が扱われている。

単一あるいはグループが限られた民族であればまだ理解しやすいが、ゲルマン人の諸部族、ノルマン人の諸派、アフリカの部族などは細かなグループが多数出てくるので、なかなか理解が追い付かない。

あまり知らなかったり意識することがない事柄も多く書かれていて、ドイツ、ポーランド、ウクライナとその周辺地域は平原が続くために頻繁に国境線が変わって悲劇が繰り返されてきたことや、ドイツ系住民が東欧やバルト海沿岸などに数百年にわたり住んでいたのを第二次世界大戦後にドイツに強制的に「帰国」させたために当事者がひどい目にあったのはもちろん指導者を引き抜かれた地域も経済的に打撃を受けた話、ユダヤ人は世界中に広がりすぎてイスラエル建国を目指したシオニズム運動に反対のユダヤ人も多かったことなどがそれに当たる。

「漢民族」の概念が時代を追うごとに変質したり、中央アジアなどでトルコ系がイスラム化していったり、地域によっては複数の民族が同化することや名前は同じでも内実が変わるなど、さまざまな事情で民族の構成が変わっていく話も随所で出てくるのも興味深い。
同化を期待してマイノリティに対し宥和政策を取ったのに同化が進まなかったために弾圧に転じるようなケースもあり、民族に対する政策で長期的にこれはという正解はないのかもしれない。

ところどころで読みにくかったり著者の見解に異を唱えたくなるところもないではないが、内容が濃くて刺激的な内容だったと思う。






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