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『ユダヤ商人と貨幣・金融の世界史』:雨読夜話

ここでは、「『ユダヤ商人と貨幣・金融の世界史』」 に関する記事を紹介しています。



貨幣や金融の歴史について、この業種を宗教的な制約をあまり受けずに実施できたユダヤ人の活動とともに解説している作品。

元々メソポタミアの遊牧民だったユダヤ人はパレスチナの地に王国を築いていたが、アッシリア、バビロニア、古代ローマ帝国などに何度か滅ぼされ、ディアスポラと呼ばれる離散を強いられてしまう。
この結果、神殿ではなく教書を重視した信仰となったり、多くの地域に仲間が住むことでネットワークを構築したことで商業で活躍できるようになっている。

また、イスラム教やキリスト教では利子を取ることを認めていないのに対し、ユダヤ教だと異教徒に金を貸して利子を取ることは問題ないため、金融業でも大きな力を持つに至っている。

イスラム圏では比較的差別を受けていないように見えるが、キリスト教圏だとユダヤ排斥の動きに対して資金調達や商業振興の面でいてほしいというニーズのせめぎあいがあり、結果としてユダヤ人を追放したスペインやポルトガルは衰退し、ユダヤ人を受け入れたオランダ、イギリス、アメリカなどが繁栄するようになった経緯も書かれている。

貨幣については金属片、金貨や銀貨といった鋳造通貨、金銀などと交換できる兌換紙幣、発行元の信用(のみ)で流通する不換紙幣と、経済の拡大とともに多くの量が流通できるようになった経緯が分かりやすい。
取引方法についてもそうで手形や国債、株券などが発行されて取引がしやすくなっていく一方、実体経済以上に貨幣や取引がなされることによるバブルも発生しているのは当然の結果なのだろう。

ロスチャイルド家のように宮廷ユダヤ人として活躍した人々や、各国の政界や財界で活躍してきたユダヤ人も随所で扱われている。
この中では、ロシアの新興財閥(オリガルヒ)としてのし上がったアブラモビッチやホドルコフスキーなどもユダヤ系ということは知らなかったので少し驚いたりもした。(名前からはユダヤ系と分からない)

当方の知識や理解力不足で金融の話で少し難しく感じる部分も少しだけあったが、幅広い内容が明快に語られていて興味深く読むことができた。






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