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『貞観政要』:雨読夜話

ここでは、「『貞観政要』」 に関する記事を紹介しています。

貞観政要 (ちくま学芸文庫)
呉 兢 (著), 守屋 洋 (翻訳)
筑摩書房



唐の太宗・李世民が宰相や諫議大夫(諫言する役職)といった家臣たちとの問答を記録した『貞観政要』を抄訳・解説している作品。

以前は政敵として滅ぼした兄の建成に仕えていた魏徴が諫議大夫として太宗にツッコミを入れるシーンが多いが、他にも宰相の房玄齢、外戚の有力者だった長孫無忌といった家臣、そして賢婦人として知られた文徳皇后などとのやり取りも収録されている。
(他にも多くの家臣たちが扱われているが、名前の漢字が難しいので割愛・・・)

前の王朝である隋が煬帝の失政で滅びていること、建国時の将軍として前線に立ち熾烈な権力闘争の果てに帝位に就いた人物というだけあり、権力者としての孤独や、油断すると周囲がイエスマンばかりになって滅びる要因となることを熟知していると思われる言動が目立つ。

過去の様々な帝王の事例を出したり、太宗がわがままを言い出したらすぐにツッコミを入れる魏徴の硬骨さ、太宗がイエスマンタイプの家臣を叱りつけるシーンが多く出てきて、後世の人々が参考にするのも納得できる。

中でも『韓非子』で書かれているような家臣たちの忠誠心を試すテクニックを提言してきた家臣に対し、「(『三国志』などでも有名な)曹操みたいに陰謀ばかり企むのは好ましくない」と拒否するシーンがけっこう気に入っている。

分かりやすい翻訳なのと、翻訳者が余計なことをあまり語っていないこともあり、非常に興味深く読むことができた。








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