fc2ブログ

『「移民」で読み解く世界史』:雨読夜話

ここでは、「『「移民」で読み解く世界史』」 に関する記事を紹介しています。

「移民」で読み解く世界史
神野正史
イースト・プレス (2019-05-12)



民族の移動を含めた広い移民での移民が歴史に与えた影響や、教訓とすべきポイントなどを解説している作品。
著者は安易な移民受け入れに反対の立場をとっており、この意見には賛成する。

古代から気候変動と移民の発生の関連を重点的に書かれていて、寒冷化したら民族の移動が発生して王朝が倒れ、温暖化したら農耕民の王朝が繁栄するような図式が提示されている。

そして、鉄、騎馬、三大発明(紙・羅針盤・火薬)といった文明の利器が出現したことで、移民の影響が早く、大きくなっていく過程も書かれている。

北米におけるインディアン(ネイティブ・アメリカン)と英米からの移民に代表される、移民を受け入れたばかりに地獄のような目に遭うという「お人好し民族」がたどった事例や、悪行の数々を美辞麗句でごまかす連中の話には気が重くなってくる。

基本的に移民になる人々は出身地が住みにくくなったならず者が多く含まれているわけで、チェックもなしに入ってきた移民の方々が移住先の人々に対して穏やかな対応を期待することには無理があるのだろう。

本書ではまずアメリカ人の非道さを書いているが、現在の日本にとっては中国人が世界をリードすることよりはまだましのような気がする。

移民に関連しては日本が危機に陥りつつあるという警鐘を鳴らしているが、一方で日本がこれまで多くの強運によって多くの困難を乗り切ってきたことも書いていて、楽観的な部分も書いている。
この中では、日露戦争後に佐藤大佐と梨羽少将が交わした、日露戦争に勝った理由に関する天運や自ら引き寄せた運についての話が興味深かった。

現在の日本だと移民を制限する手法を採用しようとするとある種の人々から猛反対を受けてグダグダになりそうなので、欧米で**系によるテロが発生したとか、そのバックで****党が動いた、みたいな事件が起こり、アメリカから強い要請を受ける形でなければ実現は難しいように思っている。

これまでに読んだ著者の作品と同様、少しストレートでどぎつい表現ながらもポイントを抑えた形で書かれていて、興味深く読むことができた。






粛清で読み解く世界史
神野 正史
辰巳出版 2018/9/28



にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック