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『日本人の歴史〈第4巻〉自然と日本人』:雨読夜話

ここでは、「『日本人の歴史〈第4巻〉自然と日本人』」 に関する記事を紹介しています。



『梅干と日本刀』などの著作で知られる考古学者の樋口清之による、火、水、山、植物、微生物、土、石、湿気といった自然と日本人がいかに関わってきたかを紹介している作品。

日本人がWhyを考えるのは後回しにしてHowを追求するのが得意だったり、祟りという概念によって自然保護を実現していたり、薬効や実用性のあるものを縁起物として尊んだなど、それなりに理のある暮らしぶりだったことが伝わってくる。

WhyとHowについては水が水蒸気になることを知っていて蒸留に活かすことまではできたが、分析をおろそかにしたことでさらに踏み込んだ蒸気機関の発明までいかなかったという話が面白い。
江戸時代に石炭を利用した蒸気機関を実現していたらどうなっていただろうか?と考えてしまう。

水に関しては中世の城が山城だったのが鉄砲の普及もあって平地の堀や川といった、古代に遡ったように水に囲まれた城になったことや、水に囲まれた城は敵との戦いだけでなく水害にも強いという話が興味深い。

また、古代の大和盆地には広大な池あるいは湖が広がっていたと思われ、現在も地下に宙水の形で水が蓄えられていることや、古代の住居跡が一定の高さより上にしか発見されない(それより低いところは水で住めなかった)という傍証がある話もなるほどと思う。

他にも、中国で北の遊牧民と南の農耕民の対立で語られる話になるところを、前者を鉄文明、後者を銅文明で表現していて、日本に伝わった製鉄文化は北に由来する話もなかなか良かった。

細かい事例が多くて興味を持ったり持たなかったりというところはあるが、著者の作品は先人たちの知恵が書かれていて興味深いことを再認識できた。





梅干と日本刀 日本人の知恵と独創の歴史(祥伝社新書)梅干と日本刀 日本人の知恵と独創の歴史(祥伝社新書)

樋口清之
祥伝社 2014-06-02

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