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『経済で謎を解く 関ヶ原の戦い』:雨読夜話

ここでは、「『経済で謎を解く 関ヶ原の戦い』」 に関する記事を紹介しています。



関ケ原の合戦において家康の行動などで下記のような謎を提起し、経済の視点から解釈している作品。
  • 家康が上方を留守にして自ら上杉攻めに赴いたこと
  • 家康が三成の挙兵を知ってからも江戸に長くとどまっていたこと
  • 関ヶ原で西軍が山岳地帯に敷く中という不利な地形に突っ込んで戦ったこと
  • 一定レベル以上の戦いだと数か月はかかるのが普通なのに、1日で決着がついたこと
大まかには堺や琵琶湖、伊勢湾といった物流や軍需物資を抑えていた三成と、豊臣家の蔵入地(直轄領)よりも広い領土と兵力を持つが物資に不安がある家康という構図で、家康がいかにして不利な点を克服して勝利のための賭けをしたのかが書かれている。

これに関連して秀吉の死後に家康が小早川秀秋に博多を含む筑前・筑後を返還させたことや、秀忠を主将とする東軍の中山道方面軍が真田昌幸が籠城する上田城を攻略できなかった理由にも話が及んでいる。

本書では書かれていないが三成の親友として西軍に参加した大谷吉継が敦賀を領地としていた意味や、西軍が最初に近江、越前、伊勢と三方向で進軍したのは物流拠点を抑える意味もあったのでは?といったところも考えが及んだ。

その前の信長や秀吉の時代における「覇者のジレンマ」という問題や、武断派とされる加藤清正が実は行政官の実績があって肝心の軍功が大したことがなく朝鮮出兵の先鋒としてはミスキャストだった可能性、家康ののし上がり方は火事場泥棒的な方法でコストパフォーマンスが優れて「覇者のジレンマ」を抑えられる一方で自分から仕掛けることができないなど、面白い話が多数収録されている。

著者の他の著作同様に読みやすく、楽しんで読むことができた。






関ヶ原合戦の謎99 (イースト新書Q)
かみゆ歴史編集部
イースト・プレス (2017-07-09)


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関連タグ : 大村大次郎・武田知弘, 関ケ原の合戦,

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