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『乱と変の日本史』:雨読夜話

ここでは、「『乱と変の日本史』」 に関する記事を紹介しています。



AKB48大好きなことでも知られ「あきちゃ教授」と呼ばれたこともある東大史料編纂所教授による、約700年に及ぶ武士の時代における乱や変と名がつく軍事行動を語っている作品。

軍事行動には乱、変、合戦、擾乱、戦争などの名前がついているが、名前がつくはっきりした基準はなく、規模や歴史的な影響、関係者の身分などにより左右されてきたようである。

そして扱われているのは平将門の乱、保元の乱/平治の乱、治承・寿永の乱、承久の乱、足利尊氏の反乱、観応の擾乱、明徳の乱、応仁の乱、本能寺の変、島原の乱と続き、最後の国内戦争とされる西南戦争で締めとなっている。

前半では著者が専門とする中世史で論争の議題となっている「権門体制論」と「東国国家論」を用いて話をしていて、将門あたりで意識されてきた東国国家が頼朝で確立、承久の乱で西国にも影響力を得た上、室町幕府になることで重点が西に移り、足利義満・細川頼之の時代に東国を切り離した・・・といった感じの構図となっている。
著者は東国国家論を支持する立場なのでこうなっているが、例えば京大や日文研などの歴史学者が語るとまた別の歴史になるのだろう。

室町幕府のところでは管領・細川頼之が足利義満の政策のほとんどに影響力を行使していたらしい話や、観応の擾乱から明徳の乱、応仁の乱に至る戦乱は、勝ち組(細川、赤松、京極など)VS負け組(山名、大内、土岐など)という対立軸が続いたことも大きいという話が興味深い。

そして島原の乱は一向一揆から続いてきた平等を求める勢力の最後の抵抗で、勝利したのが信長・秀吉・家康などが乗っかった平和を求める勢力という構図や、指導者の天草四郎は複数人存在してチームだったという「天草四郎AKB48論」を語っているのが印象に残る。
島原の乱に参加した大名家の記録には「天草四郎を捕らえて首をはねた」というものが複数あるとのことで、テレビで話したら地元の議員からクレームがあったのは、イメージが安っぽくなるためだろう。

教科書などで有名な乱や変を一続きの流れで捉えたり、知らなかった視点からの話があったりと、大いに興味深く読むことができた。






考える日本史(河出新書)
本郷和人
河出書房新社 2018/11/21


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