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『0から学ぶ「日本史」講義(中世篇)』:雨読夜話

ここでは、「『0から学ぶ「日本史」講義(中世篇)』」 に関する記事を紹介しています。



ライフネット生命の創業者による、日本史講義シリーズの中世篇。
院政の発生から、戦国大名たちによる領国支配までを描いている。

著者が関西圏の三重県出身ということもあるのか、「ええんやで」とか「それはあかん」みたいに関西弁での表現を随所に入れているのがちょっと面白くて分かりやすい。

前作の『古代篇』に引き続いて近年の研究成果の反映や、著者独自の捉え方があって興味深い。

まず、源氏については後世による神話の創造が多いみたいで、頼朝が必ずしも源氏の嫡流とは言い切れないことや、源頼義・義家による前九年・後三年の役は手柄を挙げようと強引に起こした私戦で朝廷から評価されなかったことも妥当だったという話は少し驚く。

そして、治承・寿永の内乱は源平合戦と言われてきたが、平氏(西国)、木曽義仲(北陸)、頼朝(関東)、奥州藤原氏(東北)の四大勢力という構図で捉えるべきで、頼朝の支持層も北条、三浦、千葉、上総といった関東の平氏系豪族が主力になっているなど、『平家物語』とはかなり様相が異なることが書かれている。

他にも平清盛をスティーブ・ジョブズのような革命家と評価して頼朝は清盛が初めてやったことをベースに鎌倉幕府の体制を整えたことや、鎌倉幕府は元寇の後が他の権門の武士を動員できるようになってピークとなったこと、室町幕府のピークは鎌倉公方の持氏を倒すことに成功した「悪御所」こと義教の時代ではないかという話など、明快かつこれまで教科書で学んだことと異なる話が書かれていて面白い。

巻末には本書の著者・出口氏と、ベストセラーとなった『応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱』の著者である呉座勇一氏の対談も収録されていて、中世の権門体制が自由度の高いエネルギーに満ちた、不確定だけど面白い時代という話をしているところに共感が持てる。

本書も面白かったので、次に出るであろう『近世篇』を楽しみにしている。






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