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『銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎』:雨読夜話

ここでは、「『銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎』」 に関する記事を紹介しています。



アメリカ、アフリカ、オセアニアなどがユーラシア大陸から出てきたヨーロッパ人に征服されて植民地となり、その反対にこれらの大陸からヨーロッパの征服が起こらなかったのはなぜか?という疑問を提起し、生物学や社会学など多くの学問を駆使して考察している作品の上巻。

直截的にはアメリカなどになかった剣や銃といった鉄製の武器や馬という機動力と戦闘力を合わせ持つ強力な兵器、そしてそれ以上に現地の人々がヨーロッパ人が持ち込んだ伝染病に免疫がなくて人口が激減したことを挙げているが、本書ではさらにその遠因を何千年にもわたるスパンから考察していく。

具体的にはヨーロッパでは、栽培が容易な穀物や豆類といった食用植物の栽培を可能として人口を増やしたこと、飼いならせるレベルの動物が生息していて家畜化に成功したこと、東西に広くて栽培や畜産が広まりやすかったこと、家畜から感染する伝染病の洗礼を早めに受けて免疫ができていたことなどが書かれている。

対照的に他の大陸では、小麦やコメくらい栽培化が容易な植物が少なかったり、家畜になりそうな動物が早い段階で絶滅していたり、南北に広い地形では栽培や畜産の広がりを妨げられていたことなど、環境による要因によるであろう話に説得力がある。

家畜の話では馬とあまり違いがなくて家畜にできそうなシマウマは、実は成長するごとに獰猛になり、すぐに人にかみつくので家畜にできなかったというくだりが印象に残る。
この話を知ると、哀川翔が演じた「ゼブラーマン」や『キン肉マン』に登場した「キン肉マンゼブラ」の印象が変わってきそうになった。
(キン肉マンゼブラの戦績はあまり振るわないが・・・)

本書では欧米人が語りがちな「インド・ヨーロッパ語族が優れていたから繁栄し、他の人種は文化や文明のレベルが遅れていたから」みたいな偏見ではなく、環境や地勢などから理論的かつ具体例を挙げながら説明しているのが受け入れやすい。

具体例が多くて丁寧に説明している分、「早く次に進んでほしい」とまどろっこしく感じるところもあって読むのに時間がかかるが、内容自体は興味深くて読みごたえがある。

下巻も購入してあるので、続けて読んでみる。






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