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『銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎』:雨読夜話

ここでは、「『銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎』」 に関する記事を紹介しています。



世界の大陸や地域によって格差ができた背景を考察した、『銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎』の下巻。

下巻では技術の伝播や交流、そして衰退など、文字による種族ごとのやり取りの考察、オセアニア、太平洋地域、アフリカなど各地における個別の事例などが扱われている。

上巻に続いてアメリカ、アフリカ、オセアニアなどでは食糧生産に適した植物や動物が少なかったこと、東西ではなく南北に長いことによる障害が多いことで社会間の交流が少なかったことがユーラシアに後れを取った要因という話が多いが、中国の場合は逆に早い段階で統一されてしまったことで、愚かな決定(明朝の海禁や毛沢東の文化大革命など)によって停滞したケースを扱っていて、ほどほどに複数ある社会が交流する形なのが文明の発展には適しているようである。

また、ヨーロッパ人による征服が目立つが、西太平洋やインド洋における中国系やインドネシア系の種族が広まった経緯や、アフリカでバンツー系の黒人がピグミー族やコイサン族(ブッシュマンとして知られる)を圧倒した事例が書かれていて、これもまた食糧生産をいち早く実施したことが明暗を分けている。

ところどころで似た話を繰り返すなど、くどく感じる部分も多いが、多くの事例を用いてできるだけ精緻な話として書きたかったということなのだろう。
読むのにかなり時間がかかったが、それだけの内容の作品でもあると思う。





昨日までの世界(上) 文明の源流と人類の未来 (日経ビジネス人文庫)
ジャレド・ダイアモンド (著), 倉骨彰 (翻訳)
日本経済新聞出版社 2017/8/2


文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)
ジャレド・ダイアモンド (著), 楡井 浩一 (翻訳)
草思社 2012/12/1


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