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『ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)』:雨読夜話

ここでは、「『ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)』」 に関する記事を紹介しています。



塩野七生による『ローマ人の物語』シリーズのうち、ユリウス・カエサルが歴史の表舞台に登場する時代を描いている作品。

ハンニバルやスキピオ・アフリカヌスが活躍した『ハンニバル戦記』でも文庫本3冊分だったのに対し、カエサルではルビコン以前・ルビコン以後と6冊を使っているということは、それだけ巨大な存在だったということだろう。

本作ではカエサルの生い立ちや、独裁官のスッラに睨まれてオリエント地方に逃亡せざるを得なかった話、軍役について経験を積むなど、30代後半までの下積み時代が扱われている。

大抵の偉人は30代くらいまでに頭角を現すものらしいが、カエサルの場合は40代になって急にのし上がっていったらしく、伝記作家泣かせだと評しているのが面白い。

カエサルのライバルとなるポンペイウスは、スッラの引きがあったこともあって20代前半から目覚ましい活躍を続けて地中海の海賊退治などによって若くして名声を得ていたのとは対照的である。

名門だが民衆派に属したこともあって元老院派からは妨害を受けることも多かったカエサルだが、徐々にキャリアを重ねて政治的な活動を開始していることがだんだん出てくるようになる。

そしてカエサルの特徴である、公共のために莫大な借金をすることを気にしないことや、とにかくモテまくってかつ女性から恨みも買わないというエピソードも随所に出てくるのが面白い。

本作はあくまで序盤という感じで、次作からよりカエサルらしい活動が扱われていくことになる。






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