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『ローマ人の物語 (12) ユリウス・カエサル ルビコン以後(中)』:雨読夜話

ここでは、「『ローマ人の物語 (12) ユリウス・カエサル ルビコン以後(中)』」 に関する記事を紹介しています。



塩野七生による『ローマ人の物語』シリーズのカエサル編第5作で、エジプトでの内乱を鎮圧したカエサルがクレオパトラとナイル川でのしばらくの休みを過ごした後、再び仕事に戻った様子が書かれている。

前半は旧ポンペイウス派の残党や、内乱に乗じて蜂起した周辺諸国との戦いや、ローマの留守を任せたアントニウスによる失政の後始末(カエサル麾下の兵たちのストライキなど)、内乱の戦後処理などが書かれている。

カエサルが自ら著した『内乱記』の後の話ということもあり、さすがにこれまでの回に比べれば地味な内容となっている。
ただ、元老院派でキケロのみっともない振る舞いや、カエサルが嫌いなあまり「カエサルに許してもらうくらいなら死んだ方がまし」とばかりに自殺した小カトーなどの話は印象に残る。

後半ではカエサルが断行した行財政改革についての話で、ここも読み物としては地味だが、その意義やカエサルの先見性について書かれているところは興味深い。

『ハンニバル戦記』で描かれていたポエニ戦争の時期はそれまでの元老院システムが機能していたのに対し、地中海世界のほぼ全域を支配下に置いたローマだと意思決定に時間がかかりすぎたり、有能な人物が出てこなければ悲惨なことになることは『勝者の混迷』でも書かれていた通りであり、独裁制に舵を切った事象も分からないではない。

当然、急激な改革には不満を持つ人々も多く出てくるわけで、次作で3.15のカエサル暗殺に話が続いていく。






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