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『経済で読み解く日本史② 安土桃山時代』:雨読夜話

ここでは、「『経済で読み解く日本史② 安土桃山時代』」 に関する記事を紹介しています。



『経済で読み解く日本史』シリーズの第2作で、信長と秀吉の時代が扱われている。

前作同様に基調は通貨の量によって世の中の景気、さらには安定するか殺伐とするかが大きく違ってくることが書かれていて、序盤では室町時代から続く明の銅銭の慢性的な不足によるデフレ、中盤では石見銀山と南米のシルバーラッシュによって国際経済において銀が基軸通貨となる話、そして日本では一部で銅銭から米への逆行が起こるなどの事象が書かれている。

後半ではスペイン・ポルトガルによるキリスト教布教を通じた侵略と、それに対応しての戦略を実施していった秀吉という構図で書かれている。
本書では国内を統一してから海外進出を考え出したのではなく、既に九州の島津などとの戦いの時点で外交的なところを考えていたことが書かれている。

著者は、日本は戦国時代の戦乱を通じて鉄砲の性能・量ともに揃えていた東アジア最強の陸軍国になっていたが、基本的には島国なので海軍をより充実させるべきところを、国内の戦争では陸軍が主体だったために秀吉は戦略ミスを犯してしまったという趣旨のことを書いている。

ではどうするのが良かったかというと、西欧列強のように海岸や港を抑える戦略が有効だったようで、当時の日本に当てはめると海軍を整備した上で台湾、ルソン、寧波など支配下に収めて貿易の主導権を握るべきだったのでは?ということが書かれているが、これを構想して実行できた可能性がある人物はいたのか?ということが問題となる。

信長は織田家のブラック企業化による弊害で滅び、秀吉はボロがでるまで長生きしてしまった、家康もまた構想力があったかどうか怪しい・・・となり、現実的にはないものねだりなのかもしれない。

面白かったが、前作ほどでもないというのが正直なところである。








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