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『ローマ人の物語 (14) パクス・ロマーナ(上)』:雨読夜話

ここでは、「『ローマ人の物語 (14) パクス・ロマーナ(上)』」 に関する記事を紹介しています。



塩野七生による『ローマ人の物語』シリーズの第14作で、アウグストゥス(オクタヴィアヌス)の業績と初期の治世について書かれている。

アウグストゥスは独裁制を目指して暗殺されたカエサルを教訓に、共和制への復帰を目指す政策を打ち出しながらも別に目立たない制度を作ったりすることで、着実に帝政を成立させていく過程が書かれているのが興味深い。

元老院議員たちがやりたがらないであろうこと、例えば辺境の防衛や統治をアウグストゥスが引き受けることで好評を得ながらも実権を握るやり方は、中国の『韓非子』などで家臣が君主から実権を奪っていく話を思い出させてくれる。

アウグストゥスがトップに立ったのが30代とかなり若く、約40年にわたってこのような変革を多くの分野で少しずつ目立たないようにやったため、著者はカエサルなどと比べて書きにくかったと語っている。

本作では統治エリアの編成、税制、通貨、選挙といった政策や、エジプトやアルメニア、パルティアといった周辺諸国との外交についても書かれていて、カエサル暗殺後の内乱で中断していたローマの変革がいかに多くの分野で必要と考えられていたかが伝わってくる。

アウグストゥス自身が軍事能力があまり高くない(自らが率いての戦いで勝率が悪い)ため、アグリッパやティベリウスなどの将軍に任せたケースが多いこともあって少し派手さには欠けるが、確実に手を打っていく話を興味深く読むことができた。






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