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『ローマ人の物語 (15) パクス・ロマーナ(中)』:雨読夜話

ここでは、「『ローマ人の物語 (15) パクス・ロマーナ(中)』」 に関する記事を紹介しています。



塩野七生による『ローマ人の物語』シリーズの文庫版15作目で、アウグストゥスの治世中盤を扱っている。

少子化対策として結婚への優遇や姦通への厳しい罰則、宗教政策、税制、行政区の再編成など、さまざまな分野で政策を打ち出す一方で、自身が苦手とする軍事面でも多くのことを成し遂げている。

まず、ローマの領土拡大が進んでカエサルが構想したライン川、ドナウ川、ユーフラテス川などを境界とした勢力範囲を区切って領土拡大ではなく防衛に適した軍団の配置を行ったり、軍制改革や近衛軍団を創設するなどの改革を実施し、既成事実を積み上げていることが書かれている。

ただ、カエサルの業績を上回ろうと考えたのか、カエサルがガリア人の居住地域までを区切ったライン川を越えてゲルマン人が活動するエルベ川まで軍事行動を起こしたのは、次の16巻で問題が発生することにつながっている。

そして、アウグストゥスが不得手とした軍事を担ったアグリッパや、外交使節や広報担当として活躍し「メセナ」活動の語源となったマエケナスの業績にも触れている。
2人ともアウグストゥスの信頼に応えてきたが、それぞれアウグストゥスが50代の頃に続けて亡くなってしまう。

さらには妻の連れ子で将来を嘱望していたドゥルーススも突然死んだ上、その兄で娘婿にしていたティベリウスもアウグストゥスとの衝突や妻との不仲もあって引退してしまうなど、長生きしたことで周囲から親しい人がいなくなっていく事情が語られているのはなかなかつらいものがある。

治世が中期から後期に入るにつれて重い話が目立つようになったところで、次の16巻に話が続いていく。






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