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『ローマ人の物語 (16) パクス・ロマーナ(下)』:雨読夜話

ここでは、「『ローマ人の物語 (16) パクス・ロマーナ(下)』」 に関する記事を紹介しています。



『ローマ人の物語』シリーズの文庫版16巻で、アウグストゥスの治世の晩期を描いている。

冷静かつ慎重に多くの政策を実施してきたアウグストゥスだが、後継者には自身の血脈にあくまでこだわり、ただ1人の娘であるユリアから生まれた孫を後継者にしようとしてユリアをアグリッパやティベリウスなどに政略結婚で嫁がせたり、男孫のルキウスやガイウスを引き立てようとしたが、ことごとく失敗している。

ルキウスとガイウスは若くして亡くなり、娘のユリア、孫娘で娘と同名のユリア、もう1人の男孫であるポストゥムスの3人も素行不良が重なって皇帝という立場上から島流しにせざるを得なかった・・・と、結局は前作で衝突して引退していたティベリウスを呼び戻して後継者にしていて、かなり迷走している様子が描かれている。

養父のカエサルを越えようという野心から始めたかもしれないエルベ川以西のゲルマニア支配でも、一旦はローマで出世しつつあったゲルマン人のアルミニウスが反乱を起こしてローマの1軍団が壊滅する被害を受けたり、東方ではアルメニアとの外交でも人事ミスもあって失策を重ねるなど、司令官として現地に赴かないスタイルのアウグストゥスの弱点が出ていて、ここでも苦悩している。

後継者人事の混迷に前任者を越えようとしての外征の失敗という事例からは、秀吉を思い起こしてしまう。

それでも一時期は対立していたティベリウスと和解し、次の皇帝として引き継ぎを行えているのはさすがアウグストゥスだとも感じる。
アウグストゥスが亡くなったことで『パクス・ロマーナ』編は終わり、ネロやカリグラのような暴君の代名詞のような皇帝も含む『悪名高き皇帝たち』シリーズに続いていくので、ぼちぼち読んでいくつもりである。






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