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『ローマ人の物語 (18) 悪名高き皇帝たち(2)』:雨読夜話

ここでは、「『ローマ人の物語 (18) 悪名高き皇帝たち(2)』」 に関する記事を紹介しています。

塩野 七生 (著)
新潮社 (2005/8/28)


『ローマ人の物語』シリーズの文庫版18巻で、ティベリウスの治世の後半と、次の愚帝として暗君の代表者の1人に挙げられることが多いカリグラの時代を扱っている。

ティベリウスは元老院議員たちのレベルの低さや養子の未亡人だったアグリッピナとの確執が嫌になったのか、ある時ローマを「家出」してナポリ沖合のカプリ島に引きこもり、手紙を出す形で政治をやるようになっている。

それでも、それまでの指揮命令のシステム作りがうまくいったようで政治は機能していたが、アグリッピナによるクーデターの疑惑があったために排除したり、ローマで自身の指令を受け持ったセイアヌスという親衛隊長が増長して専横の動きを見せたことを察知して粛正するなど、晩年は恐怖政治に陥っていたことが書かれている。

そのクラウディウスの後継者となったのが、評判が良かった上に若死にしたことで偶像化された感のあるゲルマニクスの息子であるカリグラで、民衆からの期待が大きかったことが悲劇につながっていく。

先代のティベリウスが人気取りをしなかったり晩年の恐怖政治で不人気だったことから、イベント開催やバラマキなどを盛大に実施したことで大衆からの人気は高かったものの、莫大な浪費のために財政が破綻状態に追い込まれ、金策のために元老院議員を罪に落として財産を巻き上げるような手段を取るようになり、このあたりから愚帝とされる部分が目立っていく。

また、自分自身を神だと公言してそれに付随した政策が評判が悪かっただけならまだしも、当時では少数派だった一神教を信仰していてオリエント地方ではギリシア人と勢力を二分していたユダヤ人たちから反発されたり、政治や外交での失策を繰り返したことで、親衛隊から暗殺される末路をたどっている。

カリグラが帝位についたのが24歳で経験不足だったことや、カリグラ以外に血筋や年齢で適格な人物がいなかったのが不幸だったということなのだろうが、ティベリウスがカリグラに後見人というかブレーンになるような人物をつけることができなかったことも悲劇を拡大したように感じた。

次の巻はカリグラ殺害後にたまたま近くにいたという(だけの)理由で親衛隊から皇帝に擁立された、カリグラの叔父に当たるクラウディウスの話になり、これも続けて読んでいくつもりである。






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