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『ローマ人の物語 (19) 悪名高き皇帝たち(3)』:雨読夜話

ここでは、「『ローマ人の物語 (19) 悪名高き皇帝たち(3)』」 に関する記事を紹介しています。

塩野 七生 (著)
新潮社 (2005/8/28)


『ローマ人の物語』シリーズの文庫版19巻で、ゲルマニクスの弟、カリグラの叔父に当たり、カリグラを暗殺した近衛軍団から擁立されたクラウディウスの治世を扱っている。

彼は血筋はいいが体に障碍があったのでそれまで皇位継承者と見なされておらず、50代で皇帝に即位するまでは歴史家として活動してきた。

それが突然皇帝に祭り上げられた形だが、歴史家皇帝としてカリグラの浪費による財政破綻からの再建、ローマの外港建設などのインフラ投資、反ローマのドルイド教勢力が集まっていたブリタニア征服など、その後のローマの基盤づくりとなる政策を多く実施できた背景には、歴史に学んできた者の長所が出ている。

元老院の会議や裁判などにも真面目に出席したり、家の使用人だった解放奴隷たちを官僚として使いこなしたなど、13年の統治で燃え尽きたと著者が評するのも分かる。
(解放奴隷たちに権力を与えたことは、側用人とか宦官みたいな感じになったのか、元老院からは評判が悪かったらしいが)

ただ、期待されない生涯を送ってきたことで威厳を持つことを知らなくてバカにされがちだったことや、仕事には熱心だが家庭のことはあまりタッチしたくない人だったこともあり1人目の妻も2人目の妻も悪妻というのが、少し後の歴史家からけなされている。
そして2人目の妻であるアグリッピナからは、連れ子のネロを後継者にねじ込まされた上、用済みとばかりに毒殺されるという最期を遂げている。

クラウディウスは仕事熱心だが家庭のことには気を使いたくないという、バブル期の会社員みたいなキャラクターのように感じていて、確かに皇帝らしさはあまり感じられない。
このあたりが不人気だったのだろうが、実績は実績としてもっと評価されてもいい。

このシリーズは次が暴君の代表として有名なネロで、まだまだ続きを読み続けていく。






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