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『世襲の日本史: 「階級社会」はいかに生まれたか』:雨読夜話

ここでは、「『世襲の日本史: 「階級社会」はいかに生まれたか』」 に関する記事を紹介しています。

本郷 和人 (著)
NHK出版 (2019/9/10)


日本史における世襲がなされてきた実態や、その理由、メリットやデメリットなどを考察している作品。

律令国家でも科挙を採用せずに豪族が貴族になっていった事情、摂関政治や院政のシステム、世俗も宗教も階級制度では同等だったこと、イエ制度の観点から武士が養子をとっていた話、明治維新で能力主義が採用されたことなどが扱われていて、天皇や征夷大将軍といった「地位以外で実権を持つ人」の存在が政治などを動かしていた事情を知ることができて興味深い。

鎌倉幕府の北条氏が将軍にならなかったのは地位についたことによるトラブルを避けるためという話と、それでも名目だけの地位だった藤原氏の将軍にからんで陰謀がなされたように、実権があってもなくても地位をめぐる争いは発生するという話が特に印象に残る。

著者の専門が中世ということで、江戸時代における世襲の話がなかったのは少し物足りない気もするが、全体的には歴史の読み物で何となく感じるが言語化しにくかったと思われる部分を突いていて、なるほどと思わせてくれたと思う。






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