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『いやよいやよも旅のうち』:雨読夜話

ここでは、「『いやよいやよも旅のうち』」 に関する記事を紹介しています。

北大路 公子 (著)
集英社 (2020/4/17)


ビールとテレビが大好きで旅行や運動が嫌いなエッセイストが、集英社から出された「あえて行きたくないところへ苦手なことをしに行く」という企画により、嫌々ながら日本のあちこちを旅行させられた過程を書いているエッセイ集。

著者が住む札幌から、岩手、山梨、三重、香川、沖縄の一道五県に出かけ、犬ぞり、富士急ハイランドの絶叫マシン、青木ヶ原樹海、こんぴらさんへの1368段の石段、沖縄の海でのシュノーケリングと、アクティブな企画は全て「嫌だなあ」と言いつつ編集者の元祖E譲に引っ張られて体験している。

また、レンタルの電動自転車で移動する予定も組まれていて、前回自転車に乗ったのは30年前という著者は「自転車なんか乗ったらぶつかって死ぬ」と言って何とか乗らずに済ませられないかあがいてもいる。

何かあるとすぐに「嫌だなあ」、「帰りたい」、「ホテルでビールを飲んでいたい」、「雨が降って企画が中止になればいいのに」みたいな弱音を吐き、元祖E譲から「楽しいと思いましょう!」みたいにポジティブなことを言われるやり取りが面白い。

また、山梨では曇天の日が多くて最後まで富士山が見えなかったことで「富士山の存在は嘘だな」みたいなことを語ったり、神社で「原稿を書かずに原稿料をもらえますように」と祈るなど、表現のセンスが面白く、50代くらいの年代にしてはけっこう感性が若いように感じる。

イラストレーターの丹下京子さんの挿絵は故・安西水丸氏の作風に近いのも本文とあっていて、随所で笑いながら楽しく読むことができた。




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