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『異世界薬局 (1)』:雨読夜話

ここでは、「『異世界薬局 (1)』」 に関する記事を紹介しています。

高山 理図 (著)
KADOKAWA/メディアファクトリー (2016/1/25)


大学の准教授として新薬の研究に没頭しすぎて過労死した人物が異世界に宮廷薬師見習の少年として生まれ変わり、現代日本の医学・薬学の知識や身に着けていた魔法で活躍するライトノベルの第1巻。

著者はがん研究に取り組む現役の学者で、自身の見識や他の医師や研究者に取材しているなど、きちんとした医学知識が反映されているのが大きな特長となっている。

主人公は突然死してから異世界で落雷によって死亡したはずの少年・ファルマとして意識を取り戻す。
この異世界は中世のフランスを思わせる風土に、魔法や悪霊なども存在するファンタジーの要素もある世界となっているが、医学や薬学の書物を読むと中世らしい迷信で逆効果にしかならなかったり有害な治療法が多いことにファルマはショックを受ける。

また、魔法を父の高弟である少女のエレンから習っていて、魔法をやってみたところエレンが恐れるレベルの魔力を持ち合わせていることが判明する。
魔法には右手で物質を生成したり、左手で物質を消去するようなチートなものも持ち合わせていた。

ファルマが元々宮廷薬師の次男ということもあり、異世界でも医学・薬学の知識によって多くの人々を救うことを望み、女帝の病を治療した功績によって薬局を開くこととなる。

挿絵とイラストがいかにもライトノベルという感じで敷居が高いが、しっかりした医学・薬学の情報が話に厚みを加えていて、ただ面白いだけの作品になっていないところが非常にいい。
本巻ではまだ出てこないが、ペスト(黒死病)との戦いのところは、現在の新型コロナウイルスとの戦いと通じる部分が多々あり、医療関係者への感謝の念をさらに思い起こさせてくれる。

料理の記述が具体的な『異世界食堂 1』でも感じたところだが、現代での知識が厚みを加えて変にキャラクターに頼ったりしないタイプのライトノベルが私の好みのようである。




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