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『日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで』:雨読夜話

ここでは、「『日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで』」 に関する記事を紹介しています。

磯田 道史 (著)
中央公論新社 (2017/10/18)


メディアの露出が多い歴史学者による、新聞や雑誌に掲載した歴史コラムをまとめた作品。

著者が住んでいた浜松にまつわる家康や秀吉、『おんな城主直虎』などの話や、幕末の古文書から分かった意外な事実、自身の祖先や歴史上の人物のルーツなど、さまざまなお題で書かれている。

家康が浜松城を居城にしていたことは有名だが、秀吉にも関係するというのは、最初の主君である松下嘉兵衛の領地がそのあたりにあったためで、天下人2人に関わりのあるパワースポットという話が広がったという。
また、『おんな城主直虎』で直虎や万千代(直政)が身を寄せた松下家というのも松下嘉兵衛と同族の家だったことを初めて知り、そんなつながりがあったのかとかなり驚いた。

また、三方ヶ原の合戦で織田の援軍は3000しか来なかったとされているが、これは負けた家康の名誉のために過少に書かれたためで、実際は20000くらいの兵が岡崎、吉田(豊橋)、浜松に分散配置されていたといい、信玄が浜松城を包囲しなかったのは温存されていた織田軍を警戒したのものだったという話が書かれていた話も印象に残る。

家康に関しては他にも29歳頃の若き闘将だった復元図が作られた話や、静岡では神君として崇められるが浜松では若い頃だったために親しまれていることで、ゆるキャラの「家康くん」が生まれた話なども面白い。

次に印象に残ったのは、著作の『無私の日本人』に書かれていた話が邦画『殿、利息でござる!』になった話で、殿様役をフィギュアスケートの羽生君にオファーしたり、宣伝ではコメディみたいに見せたが実は感動話だったということが書かれていて、ちょっと関心を持った。

他にも、家康の正室だった築山殿に関する話や、鳥羽・伏見の戦いの前に西郷隆盛らが負けた時のために明治天皇を山陰地方に避難してもらうプランがあったこと、江戸時代の高い識字率や本の文化が明治以降に多大な影響を与えたなど、興味深い話が多く扱われている。

とっつきやすさを重視した書き方だが、ところどころで見せる真摯さも伝わってきて、なかなか面白い作品だったと思う。




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