fc2ブログ

『大江戸 知らないことばかり―水と商と大火の都』:雨読夜話

ここでは、「『大江戸 知らないことばかり―水と商と大火の都』」 に関する記事を紹介しています。

NHKスペシャル「大江戸」制作班 (編集)
NHK出版 (2018/5/23)


NHKで放送された番組・NHKスペシャル「大江戸」を元に作られた、江戸時代のインフラや商業、防災などについて書かれた作品。

複数の学者により書かれているため読みやすさにばらつきはあるが、江戸時代についての知らない話が多く扱われていて興味深い。

放送されていた中では、株式会社にんべん(鰹節などの水産加工品メーカー)の前身となる伊勢屋の話はリアルタイムだか再放送だかで観た記憶があり、大名向けの商売は利幅が大きいものの突然取引停止や借金の踏み倒しなどのリスクもあり、現金掛け値なしの商売を(おそらく三井の越後屋に倣って)始めていたのは素晴らしい判断だったと思う。

また、その後の後継者が後見人に乗っ取りをかけられたり、新たな商売を脅威に感じた同業者から妨害を受ける話は現代の企業ドラマにも通じるところがあると感じた。

また、江戸で勤める武士の暮らしについては、漫画『勤番グルメ ブシメシ!』やNHKドラマ『幕末グルメブシメシ!』の元となった『酒井伴四郎日記』の話も面白い。
ドラマでは高野藩という架空の藩だが、史実で酒井が勤めていたのは紀州徳川家ということは初めて知り、日記を解説した『幕末単身赴任 下級武士の食日記』も読んでみたくなった。

他にも江戸が沿岸部の凹凸が多い土地を人工的に造成した大都市は世界でもあまり例がないという話や、防災で瓦ぶきの屋根にするなかでの幕府と町方の駆け引き、幕末から明治初期にかけてオーストリアの写真家により撮影されたガラス原板ネガから当時の風景をデジタル技術で復元した画像など、興味深い話が多かった。

ガラス原板ネガからの写真デジタル復元や江戸始図の発見のように研究が進んで新たな事実はこれからも判明していくと思われるので、楽しみにしている。




にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック