fc2ブログ

『南北朝動乱 太平記の時代がすごくよくわかる本』:雨読夜話

ここでは、「『南北朝動乱 太平記の時代がすごくよくわかる本』」 に関する記事を紹介しています。

水野 大樹 (著)
実業之日本社 (2017/5/31)


『太平記』の舞台となった鎌倉時代末期から南北朝時代について、それぞれの時期の情勢を分かりやすく解説している作品。

鎌倉幕府が将軍→執権→得宗家→身内人と権力がどんどん移っていった過程や、御恩と奉公のシステムが元寇だけでなく幕府内の権力争いなどで機能しなくなっていた問題、最後の得宗だった北条高時が長崎高資に権力を握られてほとんど政治に関与できなかったことなどから話が始まっている。

そして、朝廷の院政システムでも大覚寺統と持明院統の2つの系統から交代で天皇を出す手法も問題が多く、それを嫌った後醍醐天皇による倒幕計画とその失敗と話が続く。

倒幕計画を繰り返したことで後醍醐天皇が隠岐の島へ流罪になった時期から護良親王や楠木正成などが活躍したり、赤松則村のように倒幕に呼応する武士が増えたこと、さらに幕府のナンバーツーの家柄に当たる足利高氏が寝返ったことなどが決定打となり、六波羅探題と鎌倉が攻略され、幕府の要人たちが集団で自害する形で鎌倉幕府が滅亡となっている。

そこからは建武の新政の失敗、中先代の乱、尊氏の反乱、南北朝の形成、観応の擾乱と、敵味方が入れ替わったりして目まぐるしく情勢が変わっていく過程が描かれている。
各地の武士たちは利権や怨恨などで敵味方が入れ替わっていて、鎌倉時代に一応形成されていた秩序が失われるとこのようになるということを示しているのかと感じた。

この時代に活躍した細川、京極(佐々木)、山名、斯波、土岐、今川、大内、大友、少弐、島津、上杉といった諸氏は室町幕府の守護大名として繁栄した一方で、足利氏の親族に当たる桃井氏や石塔氏、仁木氏などが負け組について没落したのか歴史の本に登場しなくなるのも印象に残る。

応仁の乱もややしこかった印象があるが、本書で扱っている『太平記』の時代もまたややこしい情勢だったが、その時期、その時期の話が分かりやすく書かれていて、興味深く読むことができた。




にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック