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『新任警視』:雨読夜話

ここでは、「『新任警視』」 に関する記事を紹介しています。

古野 まほろ (著)
新潮社 (2020/5/27)


1999年を舞台にキャリアの新任警視が県警の公安課長に着任し、カルト教団との熾烈な戦いに挑む警察小説。

主人公の司馬達(しば・とおる)は警察大学校での研修を終え、愛予県の公安課長として赴任することになるが、そこはキリスト教系のカルト集団・まもなくかなたに(MN)の本拠地があり、警察はMNがテロを計画していることをつかんではいるものの証拠を固められないでいた。

警察庁の公安部門からも密命を受けた司馬だったが、引き継ぎを受ける直前に愛予県警ではMNからテロを受けてしまう。
そして、キャリアである司馬は10も20も年上の部下たちを率いることとなり、苦労しながらも活躍していくこととなる。

公安部門VSカルト教団がメインで扱われているため、お互いにスパイを送り込んだり敵組織内に内通者を作り出すなど、虚々実々の駆け引きがなされていてぐいぐい読み進んでいける。
MNがキリスト教団ということもあってか、公安内での通称に「ガブリエル」とか「ガラシャ」のようなキリスト教の聖人や殉職者の名前を使っていたり、警察内部での裏切り者は「ミツヒデ」と呼んでいるのが面白い。

普段は「・・・ぞな、もし」と方便丸出しでいかにも田舎のおじさん然とした公安の次長や課長補佐といった警部たちが徐々に凄みを出していったり、MNからの巻き返しがあったりと、多くの伏線が設定されていてしばしばページを戻って読み返したりしながら読んだ。

著者は警察の元キャリアということで、組織内の話や警察で使われていると思われる隠語など、それっぽさがリアルに感じられる一方で、必要なことは理解しつつもセリフが説明調で長いとも感じた。
このあたりは、好き嫌いが分かれるところだろう。

著者は小説の他に警察に関する本も書いているようなので、何冊か読んでみようと思った。





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