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『ローマ人の物語 (25) 賢帝の世紀(中)』:雨読夜話

ここでは、「『ローマ人の物語 (25) 賢帝の世紀(中)』」 に関する記事を紹介しています。

塩野 七生 (著)
新潮社 (2006/8/29)


『ローマ人の物語』シリーズの文庫版25巻で、五賢帝の3人目であるハドリアヌスの治世の前半を描いている。

ハドリアヌスと言えば人気漫画で阿部寛主演の実写版映画にもなった『テルマエ・ロマエ』に登場する皇帝であり、演じた市村正親のイメージを強く持ってしまっている。

先代のトライアヌスが積極的に拡大志向で最大版図を実現したのに対し、ハドリアヌスは受け継いだローマの版図をいかに守り盤石にしたかというのが基本政策のようである。

トライアヌスの後を受けてすぐはパルティアとの戦争の後始末やユダヤの反乱鎮圧、そしてトライアヌスの信任が厚かったが不穏な動きをしていた将軍4人を粛正するなど、多難な始まりとなっている。
しかし、その後に人気取り政策も含めて改革を実施して支持を回復し、その上で自身がローマに常駐しなくても帝国が運営できる内閣制度を整えている。

そして、「旅する皇帝」と呼ばれることになる帝国各地の視察旅行を敢行している。
これは単なる視察ではなくて帝国の防衛体制を整えるためのもので、行った先で問題点を発見するとすぐに軍団の再編成やインフラ構築、制度の改革などを命じている。

例えば、イングランドとスコットランドの間にある有名な「ハドリアヌスの長城」もこの視察旅行で指示したものであり、こうした防衛体制の構築をもしやっていなかったら、ローマの衰亡はかなり早まったのではないかと思う。

それだけではなく、「ローマ法大全」の整備も命じていて、ハード面だけでなくソフト面での体制づくりもやっていたことが分かる。

『テルマエ・ロマエ』に登場する皇帝はかなりのやり手な人物であることに軽く驚きつつ、次の26巻も読んでみる。




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