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『室町は今日もハードボイルド: 日本中世のアナーキーな世界』:雨読夜話

ここでは、「『室町は今日もハードボイルド: 日本中世のアナーキーな世界』」 に関する記事を紹介しています。

清水 克行 (著)
新潮社 (2021/6/17)


日本中世史を専門とする歴史学者が雑誌に連載していた歴史コラムを単行本化している作品。
以前読んだ、著者と高野秀行氏による『世界の辺境とハードボイルド室町時代』が面白かったので手に取った。

描かれているのは中世の人々の武闘派ぶりやある種の信仰の強さ、エネルギッシュさなどで、強烈なエピソードがいくつも出てくる。

近江の堅田に住む「イヲケノ尉」(桶屋のオヤジ)が、信仰している一向宗のために蓮如を救い出したり延暦寺の僧兵や悪党の大軍を相手に大立ち回りをするなど、『水滸伝』の武松や魯智深のような活躍しているのがまず印象に残っている。
そしてこのおじさんだけが特別なのではなく、その辺にいる普通の職業をしている人がこのように戦っている(しかも強い)ケースがいくつもあるのが、この時代の特徴のひとつのようである。

また、琵琶湖北岸の2つの集落が壮絶な殺し合いをやっていた事例や、醍醐寺が保有する荘園で農民たちが勝手に「半済」(年貢を半分しか納めない)をやろうとしたことに対し醍醐寺側は神像を持ち出して呪詛を続けて首謀者たちを呪い殺したとされる例、荘園という分かりにくいシステムが宗教的な意味合いもあったことなど、多くの濃い話が書かれている。

著者の軽妙な語り口も読みやすく、他の著作も読んでみようかと思っている。




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