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『「ヨーロッパ王室」から見た世界史』:雨読夜話

ここでは、「『「ヨーロッパ王室」から見た世界史』」 に関する記事を紹介しています。

内藤 博文 (著)
青春出版社 (2021/10/2)


ローマ帝国の衰亡とヴァイキング国家の成立あたりから現代にいたるまでの、ヨーロッパ王室の歴史について紹介している作品。

以前読んだ『ヨーロッパの「王室」がよくわかる本―王朝の興亡、華麗なる系譜から玉座の行方まで』『教養として知っておきたい 「王室」で読み解く世界史』などと重なる話も多いが、そもそも人名や王朝名が沢山出てきて頭の中を整理しにくい内容なので、今回のように類書を読む意義が出てくるというものである。

まず、
  • フランソワ1世(フランス・ブルボン家)VSカール5世(神聖ローマ帝国・ハプスブルク家)
  • ピョートル大帝(ロシア)VSカール12世(スウェーデン)
  • マリア・テレジア(オーストリア・ハプスブルク家)VSフリードリヒ2世(プロイセン・ホーエンツォレルン家)
など、君主間の戦いの激しさが目につく。
軍事、外交、賄賂、政略結婚、調略などさまざまな手段が用いられ、世界各地に植民地を作っただけの強さがあると感じた。

また、ボヘミア、ポーランド、北イタリア、南イタリア、フランドル、ブルゴーニュなど、フランス、ドイツ、イギリス、ロシアといった強国に挟まれた地方はかなりの頻度で係争地となっていることも分かってきて、『孫子』の地形分類や地政学的な話を思い出したりもした。

ベルギー王室はイギリスが親英の国を作りたいという思惑からできたとの話などは初めて知ったし、中世であれば親族同士ということで戦わなくても済んだ場合も、近世以降は国民国家という思想のために国を代表して戦わなければ王座から引きずり降ろされるという時代の変化も分かってきたのが印象に残る。

この分野はまだまだ知らないこと、理解していないことがあまりに多い。





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