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『頼朝と義時 武家政権の誕生』:雨読夜話

ここでは、「『頼朝と義時 武家政権の誕生』」 に関する記事を紹介しています。

呉座 勇一 (著)
講談社 (2021/11/17)


『陰謀の日本中世史』『応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱』などの著作で知られる歴史学者による、「鎌倉殿の13人」に関連して最近の研究を踏まえて頼朝と義時の事績を語っている作品。

『平家物語』や『吾妻鏡』などに書かれているのとは異なる話が多く、印象に残る。
例えば、富士川の合戦で源氏方の主力だったのは頼朝が主将の関東勢ではなくて武田信義が率いる甲斐源氏で、合戦の結果駿河や遠江を支配下に収めたのも甲斐源氏だったために頼朝が上洛を主張していたのか怪しい(主張したとしてもポーズだけ?)という話は初めて知った説で少し驚いた。

これは、山崎の合戦で明智光秀軍を破った主力が秀吉や丹羽長秀、織田信孝らの軍勢ではなく、池田恒興や中川清秀、高山右近といった摂津勢だったという話と似ている。

他にも、頼朝の弟で同じ母親から生まれた阿野全成と義経の扱いが違うのは、ほぼ単身で来た全成と奥州藤原氏のバックがあった義経という背景の違いによるものとか、2代将軍頼家の後継者は一幡ではなく公暁だったという説、実朝の次の将軍に皇族が即位して実朝が後見人をするプランがあった可能性など、興味深い話が多い。

著者は昨年ちょっとやらかしてしまって「鎌倉殿の13人」の時代考証を降板していて、あとがきでもそのことを反省している。
反省いただくところは反省していただくとして、著者の作品は面白いのでこれからも読むつもりである。




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