fc2ブログ

『鎌倉殿と執権北条氏: 義時はいかに朝廷を乗り越えたか』:雨読夜話

ここでは、「『鎌倉殿と執権北条氏: 義時はいかに朝廷を乗り越えたか』」 に関する記事を紹介しています。

坂井 孝一 (著)
NHK出版 (2021/9/10)


大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で時代考証を担当している歴史学者による、北条氏から見た「鎌倉殿の13人」の時代を最近の研究結果を踏まえて語っている作品。

以前読んだ著者の『承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱』が後鳥羽上皇など朝廷から見た作品、未読だが『源氏将軍断絶』が頼朝や実朝など源氏から見た作品ということで、本書は3部作の第3部という位置づけになるとのことである。

頼朝は最初伊豆西部の北条氏の勢力圏ではなく伊豆東部の伊東氏の勢力圏に流罪になったらしいことや、悪役とされがちな伊東祐親がわりとまともな人だったらしいこと、政子や義時の母親が伊東氏出身だった可能性、義時の妻・阿波局が八重(伊東祐親の娘)だった可能性、承久の乱などでの三浦義村の活躍など、北条史観で書かれた『吾妻鏡』には都合が悪くて書けなかったりぼやかされた話が興味深い。

3代将軍の実朝が後鳥羽上皇と良好な関係を築いていて、4代将軍に皇族を招聘して実朝が前将軍として活動しやすくなる構想があったことは他の本でも少し読んでいたが、義時や政子も大いに乗り気になっていて、公暁による実朝暗殺がなければどのようなことになったのか?というのは気になる歴史のIFである。

さまざまな史料を取捨選択し、ポジショントークによる歴史の記述や陰謀論などからできるだけ離れた書き方をしていることが伝わってきて、非常に興味深く読むことができた。
『源氏将軍断絶』も読んでみようかと考えている。




にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




関連タグ : 北条義時,

この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック