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『鎌倉幕府抗争史 御家人間抗争の二十七年』:雨読夜話

ここでは、「『鎌倉幕府抗争史 御家人間抗争の二十七年』」 に関する記事を紹介しています。

細川 重男 (著)
光文社 (2022/7/12)


頼朝が死んでから承久の乱までの27年間に16件、そのうち人が死んでいるのが13件と、ハイペースで発生した御家人間の内紛の多さと、それぞれの事件の内容を語っている作品。
現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で毎回のように主要キャラクターが退場しているところの話である。

梶原景時の嫌われっぷり、後鳥羽上皇が率いる朝廷から内部分裂を狙った工作があった疑惑、優勢な比企氏を陥れるための北条時政の陰謀、人を殺すことにあまりためらいがない鎌倉武士のキャラクターなど、多くの情報が書かれていて読みごたえがある。

著者も語っているが、それまで朝廷の支配や平家、木曽義仲、源義経、奥州藤原氏といった敵対勢力に対して一緒に戦ってきた戦友たち、場合によっては一族の間ですら殺し合いがなされている話が多い。

そのような時代だったと捉えるべきか、たまたま現代が殺人が肯定されない社会だったり奪い合うものが明確でないためにそうなっていないだけなのか?といったことを考えてしまう。
遺産相続争いやカリスマ社長の退任後に経営をめぐってお家騒動が発生した企業の話など、殺人という要素を除くと案外変わらないのかもしれないと思ったりもする。

著者の作品では少し前に『頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」』を読んでいて、『頼朝の武士団』ではウケを狙ったのか無駄にカタカナを多用するような痛さが文面にあったが、本書は落ち着いた文体で書かれていて、その意味でも安心して読むことができた。




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