fc2ブログ

『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』:雨読夜話

ここでは、「『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』」 に関する記事を紹介しています。

鈴木 忠平 (著)
文藝春秋 (2021/9/24)


中日ドラゴンズの監督時代に、落合博満氏の担当をしていたスポーツ新聞記者(当時)によるスポーツノンフィクション。

怪我でほとんど投げられていなかった川崎憲次郎の開幕投手起用、1年過ぎてからの大量解雇、サードを立浪和義から森野将彦へ交代したこと、日本シリーズでの山井→岩瀬の継投、ドラフトでの大田泰示ではなく野本圭のような即戦力偏重、アライバこと荒木・井端のポジション交換、そして優勝したのに契約更新されなかったことなど、落合監督時代の8年間に起こったことを関係者への丁寧な取材に基づき語られている。

各章では川崎、森野、宇野勝、和田一浩、トニ・ブランコなど選手やコーチ、背広組が感じていた話と、著者が落合氏との会話や感じたことの2種類で構成され、落合氏がどのようなことを考えて秘密主義とか非情と思われる言動をしていたのか考察している。

それぞれの話がかなり重く、少しずつ読んでいく形となった。
監督の契約は星野仙一氏、山田久志と同じように勝ち続けるとボーナスがつく契約だったのだが、その2人と違って勝ち続けたために人件費が跳ね上がって経営に影響を与えたことや、あの「ガッツポーズ事件」で坂井球団社長が選手たちに嫌われて優勝後のビールかけで誰も近づいてこなくて1人で右手に持ったビールを左手にかけていた話など、契約と経営についての話も印象に残る。

立浪や井端の守備の衰え、内部にリークしていた人物のあぶり出しなど職務上話しづらいことが多いポジションだったことは確かなようで、こうしたことを徹底してできたからこそあれだけの成績が出せたのだろう。

著者の文体が少しかっこつけすぎている気がしないでもないが、かなり読みごたえのある1冊だった。

『嫌われたGM』という作品が出たら読むかというと…多分読まないだろう。





にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック