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『徳川十六将 伝説と実態』:雨読夜話

ここでは、「『徳川十六将 伝説と実態』」 に関する記事を紹介しています。

菊地 浩之 (著)
KADOKAWA (2022/12/9)


家康の家臣として「徳川十六神将」という絵が多数存在しているが、そのチョイスについての謎を考察している作品。

十六神将として最も多い組み合わせの中で、

酒井忠次、本多忠勝、榊原康政、井伊直政、大久保忠世、鳥居元忠、平岩親吉、高木清秀、内藤正成

までの9人は、徳川四天王、幹部クラス、監査役タイプなど選ばれるだけの理由があり、著者も異論がないようである。

しかし、扱いがそれほど良いとは言えない

渡辺守綱、服部正成、大久保忠佐、蜂屋貞次、米津常春、鳥居忠広

や、そもそも誰を特定しているのかはっきりしていないのにNo.2のポジションで描かれている

松平甚太郎康忠

などがなぜ選ばれているのか?そして石川家成、本多広孝、大須賀康高、酒井正親などが入っていないことを疑問に挙げている。

この疑問に対しては、「尾張徳川家に仕えた渡辺守綱(あるいはその関係者)が選んだから」という理由から説明していて、なるほどと思ってしまった。
紀伊徳川家バージョンや越前松平家バージョンではまた違った人選になっているようで、関係の深い人物を選んで嫌いな人物を選ばないというのは分かりやすい。

また、家康の祖父・清康が信忠の息子ではなく弟だったのではないか?という著者の考察や、松平諸家が一門扱いされなかった事情、関東入国後の扱いが秀吉からの心証・知名度によって左右されていることなどが書かれているのも興味深い。
(若くて城主になっていなかったから本多忠勝・榊原康政・井伊直政は小牧・長久手の合戦で活躍して秀吉の印象に残った一方、徳川家で序列が高かった天野康景が使いとして秀吉のところに行くと「知らない奴を寄越すな!」とキレたらしい)

そして、十六人のキャラクター解説がなされている。
酒井忠次や榊原康政の智将ぶり、派手なイメージがある本多忠勝や井伊直政が大軍を指揮する将としては疑問符が付くこと、大久保忠世が猪武者で使いどころを選ぶ必要がある人物だったこと、著者からすると『忍者ハットリくん』のモデルでもある服部半蔵の戦績がしょぼいと感じられたことなど、通説のイメージと異なる話が書かれているのも読みごたえがあった。

放送中のNHK大河ドラマ「どうする家康」に便乗した本だろうと思って気軽に読み始めたのだが、思った以上に良かった。




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