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『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 3』:雨読夜話

ここでは、「『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 3』」 に関する記事を紹介しています。

塩野 七生 (著)
新潮社 (2009/5/28)


中世のヴェネチア共和国を描いた歴史読み物の3/6巻。

イタリアの四大海洋国家として、ヴェネチアとともに地中海の交易で繁栄したアマルフィ、ピサ、そしてヴェネチアのライバルとして何度も戦いを繰り広げてきたジェノヴァの話が多く書かれている。

アマルフィは本国がノルマン人に征服されたことで、ピサは隣接するフィレンツェやジェノヴァの圧迫や皇帝党と教皇党の争いに巻き込まれて衰退したことで脱落し、ヴェネチアとジェノヴァによる地中海や黒海の貿易利権をめぐる戦いが書かれている。

個人主義で商人・軍人・海賊として有能だが内輪もめを繰り返すジェノヴァと、個の力ではジェノヴァには劣るが組織力や粘り強さがあるヴェネチアといった形で戦いがなされ、宗教や思想ではなくあくまで経済利権(のみ)の争いのためにお互いの被害が一定以上になると20~30年ほど休戦しているのも印象に残る。

組織で戦う傾向が強いヴェネチアにも英雄は出現するわけで、ライトノベル『幼女戦記』の作者のペンネームであるカルロ・ゼンがヴェネチアで大活躍した将軍の名前に由来することを初めて知った。

近隣のビザンツ帝国、フランス、ローマ教皇、ミラノ、ハンガリーといった周囲の勢力をめぐる外交戦もあり、これもまた中世のイタリアの一面ということなのだろう。

後半ではヴェネチアの女性やファッション、建築といった話がなされていて、興味深い話とそうでもない話の差が出ている。

次はコンスタンティノープルを征服したオスマン帝国がヴェネチアの前に立ちふさがり・・・といった話になるようで、これも読んでみるつもりである。




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