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『徳川家康 480年の孤独』:雨読夜話

ここでは、「『徳川家康 480年の孤独』」 に関する記事を紹介しています。

宮崎 正弘 (著)
ビジネス社 (2022/10/3)


家康の業績について、歴史学者や作家が必ずしも言及できていないと思われることを語っている作品。

明治以降に政治的な理由などから「狸おやじ」という悪いイメージがついていることが多いが、実際は学問好きで好奇心が強く、バランス感覚を持っていた人物だったことが語られていく。

多くの合戦や危機からインテリジェンスを学んだことや、今川・武田・北条といった併合した大名家の縁者を側室にしたことが支配を円滑にした効果、家康が封じられた江戸は北条家が後背地として意図的に発展させていなかったことなど、なるほどと思わされる話も多い。

法治主義や通貨の一元化など、江戸幕府は当時としてはかなり近代的な政権だったことも書かれていて、後にあれこれ問題とされる朱子学の導入も、弊害も多かった仏教に頼り切らない統治の思想を求めたらベターな選択だったことも伝わってくる。

他にも朝鮮通信使が実際は日本への朝貢だったとする考え方や、江戸時代に朱子学者を名乗りながらも実際は陽明学の思想を持っていた人物は佐藤一斎だけでなく多くの儒学者がそうだったらしいという話も印象に残る。

細かな部分での間違いが気になるところもあるが、著者が実際に家康ゆかりの土地を訪れての感想なども書かれていて、興味深く読むことができた。




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