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『2時間でわかる図解 韓非子―非情の人間学を知る』:雨読夜話

ここでは、「『2時間でわかる図解 韓非子―非情の人間学を知る』」 に関する記事を紹介しています。

岡本 光生 (著)
中経出版 (2000/9/1)


『韓非子』の思想や受け入れられ方などを分かりやすく解説している作品。

よくある解説書だと思って読み始めたのだが、著者の韓非が生きた時代や王子としての境遇から想定された考えや、思想の限界や弱点についても書かれているのが強く印象に残った。

韓非が生まれた韓王国は隣国の秦に圧迫され続けた小国で、当時の技術的な限界もあって生産や供給を増やすことができなかったことから、各人の欲望を「法」の力で抑えつける思想になったことが分かってくる。

これが韓非の師匠に当たる「性悪説」で知られる荀子では、欲望を抑えるのが各人の「礼」という話になっていて、より手っ取り早く目的を達成しようという考え方になったのだろうと感じた。

韓非が王子という立場のために視点が宮廷内のことが中心で、商工業者や論客を敵視する考えがその後の中国に悪影響を与え続けてきたと思われる話も書かれていて、これもまた中国的な思想ということなのだろう。
(意外に感じる人も多いかもしれないが、孔子や孟子は商業の役割を適切に評価できていたらしい)

また、法は西洋のように君主の暴走を抑えるためのものではなく、君主は法の適用範囲ではなく法は配下や人民を支配するためのもの、という考え方となっていることも書かれている。
このあたりが中国が「法治」の国ではなく「人治」の国だとされることにつながっているのだろう。

統治論として『韓非子』と比較されることがあるマキャベリの『君主論』の話もあり、仮にマキャベリが『韓非子』を読んだらスケールの小ささに驚いたのでは?という推察や、マキャベリと境遇が似ているのは孔子という話も面白い。





『韓非子』に学ぶリーダー哲学
竹内 良雄 川崎 享
東洋経済新報社 2017/4/28



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