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『商人の世界史: 小さなビジネス革命が世界を変えた』:雨読夜話

ここでは、「『商人の世界史: 小さなビジネス革命が世界を変えた』」 に関する記事を紹介しています。

玉木 俊明 (著)
河出書房新社 (2023/8/29)


古代文明の時代から現代にかけ、遠距離の地域をつないださまざまな中間商人たちが果たしてきた役割を解説している作品で、11章から構成されている。

セファルディムやアルメニア人のように著者の他の作品で読んだ話もあるが、ローマと漢の間で大儲けしたパルティアの商人や唐の政治にも影響力があったソグド商人、日本企業の海外での発展を支えた領事と総合商社、大英帝国とタックスヘイブンの結びつきなど、著者の作品であまり読んだ記憶がない話も多く収録されている。

パルティアは塩野七生著『ローマ人の物語』シリーズでローマ帝国が何度も苦戦を強いられる強敵として描かれているが、パルティアから見てもローマはかなりの脅威で、ローマと漢が直接取引をして強大化しないように努めていた話が印象に残る。

世界史が専門の著者の作品ではあまり読んだことがない、日本の総合商社の話は特に印象に残る。

開国して列強から不平等条約を結ばされた状態から輸出を増やさなければならない事情から、まずは各国に置かれた領事が地域ごとの情報を収集して日本企業に提供を始めた話、次いで三井物産や三菱商事のような総合商社がさまざまな取引の仲介を続けた話が書かれている。

総合商社は近年では投資銀行のようなコミッション収入だけにとどまらず、事業会社への出資や運営まで手を広げてきたことなどが書かれていて、他国では少ない日本的な業態なのだろうと感じた。

各章がコンパクトにまとまった形で書かれていて読みやすく、興味深く読むことができた。





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