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『八号古墳に消えて』:雨読夜話

ここでは、「『八号古墳に消えて』」 に関する記事を紹介しています。
八号古墳に消えて (創元推理文庫)
八号古墳に消えて (創元推理文庫)
黒川 博行
東京創元社 2004-01

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大阪府警捜査一課の黒木・亀田両刑事のの黒マメコンビが活躍するミステリー。
話は考古学者である浅川教授の遺体が古墳の発掘現場で埋まった状態で発見されることから始まる。数日後には助手の植田が謎の死を遂げる。
この事件を冷静だが純なところもある黒さんと普段はぐうたらだが本気になると推理が冴えるカメちゃんが軽妙なやりとりをしながら解決していく。

この事件の背景には遺跡発掘をめぐる利害関係や大学のポスト争い、考古学界での学閥間の深刻な対立などが赤裸々に描かれており、考古学版『白い巨塔』のような感じだった。
特に盗掘や捏造は実際に行われており、このあたりは藤村博士の例を引くまでもないだろう。
舞台が畿内でもあったため、天皇陵の発掘問題も取り上げられている。仮に天皇陵とされる古墳がが天皇が葬られたものでなかったとしてもルーツが朝鮮半島の貴族だったとしても皇室の尊厳は損なわれるものではないと思うのだが。

このあたりは私が人文学部の出身であり考古学や歴史学の学者の世界についての裏面を聞くこともままあったため特に納得できるものがあった。
…もちろん推理の方も面白かったが。

ところで、黒マメが班長の宮元にあまり連絡を取らずに怒られるシーンがしばしば出てくるが、なぜ携帯電話を持ってないのか少し疑問だった。
これは解説を読んで単行本が発表されたのが1988年で携帯電話がまだ登場していなかったためと分かり納得した。
携帯電話の普及と定着がいかに迅速なものだったかが実感される。




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