| 古城の風景〈5〉北条の城 | |
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宮城谷昌光による歴史紀行の第5作。
前回に引き続いて静岡県が対象となっており、遠江東部から駿河、そして後北条氏の領国だった伊豆の城跡を訪れている。
登場する歴史上の人物としては、これまでに続いて今川一族や徳川家康、武田信玄・勝頼父子の他に、後半で後北条氏の初代となる北条早雲(伊勢新九郎盛定)の事績が大きく取り扱われている。
以前早雲は駿河に流れてきた素浪人が、今川氏の正室になっていた妹のコネで出世したのを足がかりとして伊豆と相模を奪い取った下克上の典型例という見方がなされてきたが、本書では盛定(早雲)が実は室町幕府の奉行衆(江戸時代でいうところの旗本)だった伊勢氏の親族だったという捉え方をしている。
当時の室町将軍家と関東の古河公方家、そして堀越公方家の確執など混迷を極める東海や関東の情勢を背景にあり、幕府内で権力を握っていた伊勢氏から送り込まれたエージェントとして活躍したという書かれ方で、興味深いものがあった。
訪れた城としては早雲の居城だった興国寺城や韮山城、『新三河物語(上・中・下)』で大きく扱われた大久保忠佐が与えられた沼津(三枚橋)城、北条時政の館跡に建てられ、早雲に攻められて落ちた堀越御所など、静岡県の中世史をたどることができる。
また、今回はタクシーの運転手に”登れますよ♪”と軽く言われたため高草山という山にタクシーで登ったところ急峻な崖沿いの道で、一同が恐怖体験をするエピソードも載せられており、はたから読む分には面白かった。
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[北条早雲を扱った歴史小説]
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