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『戦国の山城をゆく―信長や秀吉に滅ぼされた世界』:雨読夜話

ここでは、「『戦国の山城をゆく―信長や秀吉に滅ぼされた世界』」 に関する記事を紹介しています。
戦国の山城をゆく―信長や秀吉に滅ぼされた世界 (集英社新書)
戦国の山城をゆく―信長や秀吉に滅ぼされた世界 (集英社新書)
安部 龍太郎
集英社 2004-04

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著者が中部や畿内の山城をたずねて、その城にまつわる歴史、中でも信長や秀吉に滅ぼされるにいたる物語を語っていく。

これまであまり注目されてこなかった海民からの視点、つまり水運による交易から見た歴史が述べられているので、読んでいて新鮮だった。
特に薩摩から紀伊への交易ルートがあり、このため種子島に伝来した鉄砲が急速に根来や雑賀に伝わって強力な鉄砲隊が編成されて信長や秀吉に頑強に抵抗したという部分については、これまで考えたこともなかったので視野が開けた気がする。

他には朝倉氏の一乗谷城が日本海交易で利益を築いたらしいことや、東美濃にある岩村城の規模が大きい背景には木曾という材木の産地を擁すること、六角氏の居城観音寺城のように城中に建物が造られた城を山岳城ということらしいことなど、これまでの歴史知識にないことがいくつも出てきて、かなり勉強になった。正直本を手に取ったときはあまり期待もせずに読みやすそうという理由で買ったのだが、予想を大きく超えて面白かったので儲かったような気持ちである。

淡路島にある洲本城についても1章割かれており、ここは戦略上の要衝なのだが、これまであまり注目されてこなかった。司馬遼太郎の『播磨灘物語』でも、黒田官兵衛がちょっと出張して淡路を平定してきたように描かれていたが、実際に淡路の重要性はそんなものではないと分かった。
司馬さんは百姓という視点が中心にあったように感じるので、海民の視点はあまり得意でなかったのかもしれない。
著者の安部さんは海民からの視点などこれまでになかった視点からの歴史を述べるようなので今後の著作にも注目していきたい。

本書では近畿およびその周辺の山城ばかりが登場したので、別の作品で九州や中国、関東などの山城についても語ってほしい。





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