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『イスラム金融入門―世界マネーの新潮流』:雨読夜話

ここでは、「『イスラム金融入門―世界マネーの新潮流』」 に関する記事を紹介しています。
イスラム金融入門―世界マネーの新潮流 (幻冬舎新書)
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BRICs経済研究所代表による、イスラム金融の概要やイスラム金融が盛んになってきている国の事情、そして投資先となりうる新興国での開発事情などを幅広く解説している本。

イスラム金融の仕組みについては、以前読んだ『世界を席巻するイスラム金融』でおおまかに理解しており、例えば以下のような特徴がある。
  • 教義で利子が禁止され、銀行はリース料やプロジェクトへの配当という形で利潤を得る
  • イスラム教徒でなくても利用できる。
  • 教義の解釈にばらつきがあって標準化が難しい
  • 豚肉やタバコ、酒、ギャンブルなど、教義に反する企業への投資はNG

そしてイスラム金融は性質上イスラム教国で実施されている場合が多く、中でも特に有力な国のグループとして、MEDUSA(マレーシア、エジプト、UAEのドバイ、サウジアラビア)の4カ国を挙げている。
共通するのは比較的政情が安定していて経済も好調なことで、それぞれの国情に合わせた形でイスラム金融によって経済の振興や産業の多角化を行おうとしている。

他のイスラム教国でも多かれ少なかれイスラム金融を実施しているらしい他、イギリスやインド、中国など国内にイスラム教徒が多く居住している国でも、需給双方でのニーズがあって取り組みが進んでいるようなことが各国の経済事情と合わせて書かれていて興味深い。

利子という概念が不労取得ということで教義で禁止されていることから、高いレバレッジをかけるといった金融工学の手法を用いた金融商品が作りにくいという不便さがあるようだが、反面実体経済と対応した取り引きになるためにサブプライム問題のようなバブルにもなりづらいという長所もある。

現在の各国の経済事情とイスラム金融の関わりという枠組みから述べられており、面白くてためになった。




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イスラム金融。 要するに、イスラム教義に則ったファイナンス。 厳格(国によって基準が違うが)な「シャリーア」に従ったファイナンスで、 グローバリズムへの反発から、逆に非イスラムの世界にも通じる金融としてグローバル化する意味で成長してきた。
2009/04/10(金) | ろーりんぐそばっとのブログ