fc2ブログ

『日本の国宝、最初はこんな色だった』:雨読夜話

ここでは、「『日本の国宝、最初はこんな色だった』」 に関する記事を紹介しています。
日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書)
日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書)
小林泰三
光文社 2008-10-17

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
できそこないの男たち (光文社新書)
カラー版 浮世絵 (岩波新書)
蘇我氏の古代史―謎の一族はなぜ滅びたのか (平凡社新書)
ルネサンス美術館(全1巻)
臓物大展覧会 (角川ホラー文庫)

美術品のデジタル復元を専門とし、テレビ出演の際に作家のいとうせいこうから”美術刑事”と呼ばれるようになった著者による、デジタル復元によって日本美術が当時どのような形で受け入れられたのかを考察している本。

現在美術館や寺社で見られる絵巻物や襖絵、仏像などは時間の経過とともに色あせやいたみにより渋い感じになっているものが多いが、作成された当時はそれなりにカラフルで、美術品としての扱いであったとも限らないのは考えてみれば当然といえば当然である。
著者はこれをデジタル上にて、「金をかけない」および「何が描かれていたかではなく、何が見えてくるか」という2点を重視するポイントとして復元を試みている。

こうして復元された結果として、極彩色で恰幅のよさが映える四天王像やあざやかな青い甲冑をまとった平清盛(平治物語絵巻)、当時使用されていたと思われるように屏風の形に折り曲げることでより描かれた対象が活き活きとしてくる屏風絵(花下遊楽図屏風)など、これまでの印象が一変するようなものが出来上がってくるのは強い衝撃を受ける。

著者はこれらの作品について、当時の人々が美術品と認識していたわけではなく、自在に折り曲げたり巻き戻したりしてもよい実用品として製作されたものだったというようなことを書いていて、なるほどと思った。
美術品に対しての見方が変わる1冊で、面白かった。




にほんブログ村 本ブログへ
スポンサーサイト




この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック