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『図説 妖怪画の系譜』:雨読夜話

ここでは、「『図説 妖怪画の系譜』」 に関する記事を紹介しています。
図説 妖怪画の系譜 (ふくろうの本/日本の文化)
図説 妖怪画の系譜 (ふくろうの本/日本の文化)
兵庫県立歴史博物館 京都国際マンガミュージアム
河出書房新社 2009-04-22

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先週、姫路市の兵庫県立歴史博物館にて開催されていた特別展である、「妖怪天国ニッポン-絵巻からマンガまで-」を観に行き、江戸期から現代にいたる妖怪の絵巻物や紙芝居、漫画といった多くの作品を見ることが出来て非常に楽しむことができた。特に、百鬼夜行絵巻の実物を初めて見ることができたのが良かった。
本書はこの場で販売されていたものを購入したもので、今回の特別展の内容がほぼそのまま書かれている。

元々は人々の想像の中だけに存在した妖怪は絵などの形に表されることによってキャラクターとしての性格が付与されていくということが書かれており、この傾向は既に江戸時代には定着していたことが数々の浮世絵や絵巻物を見ていくと実感されてくる。

初めは怖い感じの妖怪が多かったのかもしれないが、途中からはユーモラスなものや世相を反映したもの、風刺やパロディなど現代に通じる多彩なキャラクターとなっているのがよく読み取れる。
神農が○で妖怪を退治する『神農絵巻』や、ヘマムシヨ入道(一見してなぜこの名前になっているかすぐに分かってしまう妖怪)など、くだらない笑いを意図した感じのものは特に印象に残る。

また、鳥山石燕や円山応挙のような妖怪画家のイメージの強い画家の他にも実は広重や北斎もけっこうこの手の妖怪画を描いており、画家たちの作風を比べるのも一興である。

こうした傾向は明治期にも続くものの、写真の普及で一時衰退する。
その後脇役的なポジションで残っていた妖怪は、紙芝居や貸本の形とも重なり合い、水木しげるという奇才の登場とともに第1次妖怪ブームが到来することになる。

その後民俗学的なアプローチもなされるようになってきた第2次妖怪ブームが到来、そして世相の移り変わりとともに凝った作品や萌え系の漫画も描かれるようになってきており妖怪イメージの変遷が楽しい。
最近の妖怪漫画の傾向やどんな作品が描かれているかも知ることができ、特別展に行ったのと本書を読んでさらに妖怪作品への興味が深まったと思う。





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