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『格差社会論はウソである』:雨読夜話

ここでは、「『格差社会論はウソである』」 に関する記事を紹介しています。
格差社会論はウソである
格差社会論はウソである
増田 悦佐
PHP研究所 2009-02-26

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日本の今後にについて楽観的な見解を語った著作の多い増田氏による、格差社会などマスコミや知識人による悲観論に対して豊富なデータや引用を用いて反論している本。

格差社会や教育問題、企業の戦略不足など、多くのメディアでは日本についてさまざまな悲観的な報道がなされ、欧米に見習うべきだという論調が目立っているが、これらは日本で大衆から尊敬されなくなった知的エリートによる負け犬の遠吠えのようなものだ断じ、こうした危機論を鵜呑みにしてあらぬ方向に進んでいってしまうことだけに注意をしていけば日本は順調に繁栄コースをたどるとしている。

また、社会調査を行った際に他国に比べて日本で満足度が低い結果となるのは、実際に他国よりも問題が多いわけでは必ずしもなく、日本人の要求水準が飛びぬけて高いからであり、この難題をクリアすることでこれまでになかった幸福な社会が実現できるということが書かれていてなるほどと思う。

他の作品でも見られた、自身と見解の異なる学者や評論家への批判は相変わらずで、今回は特に日本を認めることのできない欧米の知的エリートたちへの毒舌が冴え渡っている。

以下に上げるように示唆に富む論点がいくつもあり、引用されている数多くの文献をよく読み込んだ上で論じていることがよく分かる。
その引用文献もいくつも面白そうなものがあったため、その意味でも読んでよかったと思う。
  • 日本はこれまで植民地に独立のきっかけを与えたり、知的エリートの権威を叩き落すなど欧米から恨まれる行為を行ったため、欧米の学者による日本への論調はどうしても否定的になる
    それを真に受けて悲観論を語るのが日本の知的エリート。
  • 暗い時代と思われる1930年代も、実は日本は大恐慌から立ち直ってそれなりに成長していた。
    唯一の問題は、根拠の薄弱な悲観論に突き動かされた青年将校たちによるクーデターで、これが日本をどん底に突き落とした。
  • 大企業における戦略の是非以前に、あまりシビアな戦略を持つこと自体に疑問を持つ傾向が出始めている。実は他分野にあれこれ手を出すダボハゼ型の企業経営を行っているところの方が息が長い。
    また、株式のアナリストからすると徐々に増収増益をしている企業は面白みがないので評価が低く、アップダウンの激しい企業の方が儲けるチャンスがあるので評価される傾向にある。
  • 欧米では女性や子供を管理対象と考える伝統が根強いのに対して、日本では女性や子供がのびのびと活動できる社会が構築されており、厳しい消費者たりえている。
  • 日本では学歴が官界とマスコミを除けば30歳くらいまでしか効力が続かず、それが大衆と知的エリートがほとんどない原因となっている。
  • 実務経験のある学者は欧米型の成果主義に否定的で、労働の報酬が苦役への対価としか考えられないという前提に問題がある。
    日本では面白い仕事もご褒美になる考え方があり、こちらの方がまともと思われる。

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