『のぼうの城』:雨読夜話

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のぼうの城
のぼうの城和田 竜
小学館 2007-11-28

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第139回直木賞にノミネート、2008年本屋大賞では2位を受賞するなど昨年多く読まれた歴史小説。
読むのはもう少し後でもいいと思っていたが、図書館にあったため借りて読んでみた。

主人公には先日読んだ『水の城―いまだ落城せず』と同様に武蔵の忍城(おしじょう)に籠城して石田三成率いる豊臣軍と戦った成田長親(なりたながちか)を扱っている。
領主の一族であるにもかかわらず、でくの坊から転じた”のぼう様”と百姓たちからも面と向かって呼びかけられる長親は、馬にも乗れず、農作業を手伝うのが好きだがかえって邪魔になるため百姓からも手伝うのを断られるほど不器用な人物だが、助けたいという気持ちを相手に起こさせるという不思議な人望を持つ人物である。

忍城が属する北条氏は豊臣秀吉の大軍に攻められることになり、城主が北条氏の本城である小田原に詰め、長親が忍城の城代を務めることになった。
ただし城主は豊臣軍に対して降伏するという密約を交わしており、豊臣軍が来ると同時に降伏する手はずになっていた。
そこで石田三成を主将とする豊臣軍が忍城に押し寄せ、降伏を勧める使者がやって来て豊臣家の威光を笠に威張り散らし、家臣たちは憤りつつも耐えていた。
しかし、その中で最もキレなさそうに見える長親が使者に対して抗戦を宣言し、個性豊かな家臣たちに少数の兵、百姓たちとともに籠城戦を行うことになる。

どうしても『水の城―いまだ落城せず』と比べながら読むことになったが、本書は登場人物のキャラクターが活き活きとして歴史小説っぽさが少ないことと、緒戦と水攻めのシーンばかりが取り上げられていて視点がやや狭くなりがちになっていると感じた。
ただしポイントポイントでの長親などのせりふの掛け合い、動作の描写などについては印象的で、少し軽めだがエンターテイメント小説として楽しむことができたと思う。


[本書の文庫版およびコミック版]

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この記事へのコメント
ユキノさん

返事遅れすみません・・・
面白かったので、読まれることをお勧めします。
2009/06/20(土) 21:31 | URL | ufit #-[ 編集]
ハードカバーでしたよね。
値段が高くて買えなかった(TT)
私も図書館で探してみます。
2009/06/18(木) 23:44 | URL | ユキノ #-[ 編集]
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