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『雪舟応援団』:雨読夜話

ここでは、「『雪舟応援団』」 に関する記事を紹介しています。
雪舟応援団
雪舟応援団赤瀬川 原平 (著), 山下 裕二 (著)
中央公論新社 2002-03

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『老人力』『新解さんの謎』などでも知られる芥川賞作家の赤瀬川原平と、赤瀬川氏とともに日本美術応援団を結成している日本美術を専門とする大学教授の山下裕二による、雪舟の作品の魅力をざっくばらんに語っている本。

雪舟という名前は美術の教科書に出てくるし、『山水長巻』や『慧可断臂図』などの水墨画もよく知られていているが、2人は神格化されていて論評や批判がしづらい面もあるようだが、2人はそれぞれの作品について自由に語っていく。

最初の章が『山水長巻』を扱っていて2人の対談という形になっており、手前側でベタッと濃い墨を塗りたくる癖や、近くの景色を淡く、遠くの景色を細かくという遠近法を無視したような描き方をしていることに言及しており、一般的な水墨画のイメージとはことなる雪舟の特色を知ることができて面白く読んでいくことができる。
このあたりはみうらじゅんといとうせいこうが仏像について語る『見仏記』の雪舟バージョンのように感じる。

また、江戸時代あたりから雪舟の摸本が大量に描かれているのが残っていて、オリジナルとも本の比較も行われている。
オリジナルでは雪舟が苦手な箇所を軽く描いたり、2人が言うところの「乱暴力」という荒々しさなどライブ感が自然と出ていて活き活きしたところがあるのに対して、摸本ではどうしてもオリジナルをなぞることで小さくまとまってしまったというか、迫力不足になるというところが図解とともに書かれていてこれも興味深い。

後半では山下氏が『破墨山水図』や『天橋立図』などの作品について論評を行っていて、作品が描かれた背景や当時の雪舟の精神状態などを推測していたり、逸脱の魅力について語っていたりしていて、いい意味で学者らしくないので肩肘張らずに読むことができる。

本書を読むまでは作品の他に、小僧の頃涙でねずみの絵を描いたエピソードくらいしか印象になかったが、雪舟の魅力を身近なものと感じられるようになった気がする。
そのうち、雪舟の作品も実際に観てみたい。




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