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『ジパング再来 大恐慌に一人勝ちする日本』:雨読夜話

ここでは、「『ジパング再来 大恐慌に一人勝ちする日本』」 に関する記事を紹介しています。
ジパング再来 大恐慌に一人勝ちする日本
ジパング再来 大恐慌に一人勝ちする日本
三橋 貴明 (著)
講談社 2009-07-30

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2ちゃんねるへの書き込みをきっかけとしてデビューした経済評論家による、今後の日本経済について明るい見通しを各種データ分析を元に論じている本。
先日読んだ『崩壊する世界 繁栄する日本』が良かったのでこれも購入し読んだが、期待にたがわない内容だった。

全体を通して見られるのが、金融危機によるフェイクマネー(借金などで水増しした資産)の副作用に苦しむ米国(ばらまいた張本人)や欧州諸国など諸外国(ババを引かされた被害者)、それに対してピュアマネー(借金などによらないまともな資産)を保有して余力のある日本という構図である。

その背景として多くの国が財政赤字ではあるものの、その内容に差があることが挙げられている。
米国や欧州諸国がよその国からマネーを調達している場合が多いのに対し、日本では日本国内において円建てで調達しているという違いであり、日本国債の低金利にもそれが表れているとしている。

金融危機に際して各国が採った対策というのが、日本において”失われた10年”に実施された財政支出による公共投資の拡大であり、この意味で他国は日本を周回遅れで追いかけている状態だと表現されている。

日本はIMFに対して(円安危機対策くらいしか使い道のない)多額のドルを融資し、IMFは取り立てリスクを全て負うという対策が採られたが、長谷川慶太郎の『それでも、「平成恐慌」はありません。―これが、世界経済再生のシナリオ』にも書かれていたのと同様、大正解だったと評価している。
日本のマスコミが中川昭一氏(当時の財務大臣)のもうろう会見ばかりを報道していた裏で、IMFのトップから”人類最大の貢献”と感謝されていたともあった。

そして日本の問題は需要の低迷によるものであり、公共投資を適切に拡大していくことで国内にだぶついているマネーが回りだし、大きく成長しているとしている。
具体的にはリニア新幹線や港湾整備などのインフラ投資、新エネルギーや環境対策などが挙げられている。

また、途上国への開発援助にしても受注できる技術を持つのが日本企業になることが多いため、これも有効としている。
ひも付き援助が批判されることがあるが、これまで欧州各国によるアフリカ諸国へのひもなし援助が産業発展に寄与していないことと、日本の円借款がアジア諸国の経済成長に大いに貢献したことを引き合いに出して反論している。

著者はその意味で、2009年の補正予算は上記の項目への支出もきちんと盛り込まれていることを評価していて、夢のあるものやパイの拡大につながる支出はある程度必要だと感じた。

他にも世界や日本はデフレ基調が続くためにインフレ問題はあまり心配する必要がないこと、EU各国が”マーストリヒト条約の呪い”(財政健全化の縛りがあって財政支出がしづらいこと)に苦しんでいること、フェイクマネーで潤ってきた国への辛口の評価などが書かれている。
そしてそれらの国を日本は目指すべきだと主張してきた日本のメディアや、日本が財政破綻すると主張し続ける”日本破綻原理主義者”たちへの皮肉が冴え渡っている。

こうして読んでいくと日本の良さを生かして方向を誤らなければ、成長の余地はまだまだあると思わせてくれる。
鳩山政権やそれに続くと思われる民主党政権には不安があるが、現実的な方向にぶれていただき”意外にやるじゃないか”という成果を挙げてくれることを期待したいところである。




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