『千変万化に描く北斎の冨嶽三十六景』:雨読夜話

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千変万化に描く北斎の冨嶽三十六景 (アートセレクション)
千変万化に描く北斎の冨嶽三十六景 (アートセレクション)
大久保 純一 (著)
小学館 2005-08

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葛飾北斎の代表作である『冨嶽三十六景』について、それぞれの画をカラーの見開き2ページに掲載し、それぞれの解説や北斎のエピソード、当時この作品が作られた背景などの解説がなされている本。

『冨嶽三十六景』でよく知られるのが本書の表紙にも用いられている「神奈川沖浪裏」や赤富士とも呼ばれる「凱風快晴」などだが、他にも多くの作品があり実際には36点ではなく48点の絵から構成されている。

橋の下から富士山を描いた「深川万年橋下」や大きな材木を斜めに横切らせ、その下に富士山が見えるという「遠江山中」、手前を歩く大名行列の人々が眺めるのが遠くの富士山と見せかけて実は間近にある今で言う風俗街だったという「従千住花街眺望ノ不二」など、さまざまな方向や角度から見える富士山を描いていて、その多様さは見ていて楽しい。
例えば雲の描写一つにしても、ある作品では日本昔話風だったり、仏画に出てくるような瑞雲風などと描き分けている。

ぶんまわし(コンパス)と定規さえあれば何でも書ける”というのが北斎の持論で、曲線と直線の組み合わせを自在に活かしたダイナミックな構図が北斎風景画の特徴のようだ。
あえて遠近感を崩したり、建造物などが実際にそこになくても構図を組み立てるために描いたりと、写実よりもいかに人を驚かせるかを重視して描いていることが感じられる。

他にも使用されている藍色が当時輸入されだした化学染料のプルシャン・ブルーと呼ばれるものということや、人の向きや船の傾けた方向などが富士山を指し示すようになっているなど、視線が自然と富士山に向かう仕掛けがなされていることなども解説されていて驚くところが多い。

解説を読んでいくと、北斎が書いたのは風景画だけでなく、人物画、挿絵、浮世絵、妖怪画などいくつもの絵を手がけており、晩年の号を画狂老人卍(がきょうろうじんまんじ)と称していたということからも、かなりの変人、絵画バカ一代を地で行くような人物だったことが伝わってくる。
北斎の他の作品も観てみたいと思う。

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